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八王子に古屋を買って暫くになる。
あと何年生きられるか分からないが、
この度、外壁を塗り替えることにした。
ついでに瓦屋根と造作の一部も手を入れることにして、
入居時の屋内リフォームで出会った
左官職の浅見さんの人柄と腕を見込んで、
全部お任せでお願いした。
浅見さんは奥多摩で代々建築関連職を営む
個人経営者のグループのリーダー格で、
この所いろんな職種の職人が入れ替わりやってくる。
最近は外壁塗装などは1週間足らずで仕上げてしまう業者もいて、
ご近所でも最近、大きな邸宅が2週間で工事が終わった。
我が家は小さいが、工事は3週間の予定である。
大手の業者のように綺麗な足場囲いもなく、
寄せ集めのような見栄えのしない現場になっている。
しかし、手抜きなしの本物の職人さんの見事な仕事を堪能している。
日本人が忘れかけているものがそこにはある。
冬の足音が聞こえる中、心が暖まる。
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自宅近くに天山という料亭がある。
高台にあって眼下の八王子市街から遙か丹沢山系、富士山まで見渡せる。
その天山の一角が戦国時代の武器、
なかんずく夥しい数の火縄銃のコレクション展示になっている。
そこで、当時の鉄砲鍛冶の技術の一端が紹介されている。
日本刀作りと同じ手法で鋼(はがね)を鍛えて長い延べ板を作り、
それを鉄の心棒に巻き付けて鍛え、
その後心棒を抜き取って銃身を作ったのだそうである。
![](https://hinix.com/wp-content/uploads/2022/11/刀鍛冶.jpg)
このような日本独特の技術で、
日本の種子島銃は単なる西洋からの伝来ものではなくなった。
我が国の伝統工芸は長い年月子々孫々伝えられ発展してきた。
芸能またしかりである。
我が国の舞台照明も黎明期に於いては、
また同じく徒弟制度のような環境で育ってきた。
上の例で見れば、日本独自の技能が育って良さそうだが、
現実は技術革新が何度も起こり、
それに対応できず、
世界に問えるようなものは未だ出ていない。
残念でならない。